ご入会のおすすめ
山梨八ヶ岳バーニーズマウンテンドッグクラブ
ブリードスタンダードについて
BMDの犬種標準とは?
純血種には、各国ケネルクラブや国際畜犬連盟により「ブリードスタンダード(=犬種標準)」が設置されています。それぞれ所属するケネルクラブが定義する「ブリードスタンダード(=犬種標準)」に準じることが基本で、ブリーダーはこれを指標に繁殖を行うことが大切です。現在91ヶ国が「国際畜犬連盟 -Fédération Cynologique Internationale 略称:FCI-」に加盟しており、我が国もFCI加盟国のひとつです。日本国内で開催される展覧会(ドッグショー)においても、JKC規格(=FCIスタンダード)に準じて評価されることが基本的事項となります。山梨八ヶ岳バーニーズマウンテンドッグクラブでは、JKC規格(FCIによって承認された公式犬種標準)を下記にて解説しています。
FCI-Standard N° 45 -05.05.2003/JAPANESE-
◯翻訳者 :
(英訳)Mrs. Peggy Davis (校正)Elke Pepper
(和訳)
◯原産地 :
スイス
◯FCI認定日 :
2003年3月25日
◯用途 :
元来はガードドッグ、牽引用の犬として、又ベルン州では農場でキャトルドッグとして用いられていたが、現在でも多用途に用いられており、家庭犬としても飼育されている。
◯FCIでの分類 :
グループ 2 ; ピンシャー&シュナウザー、モロシアン犬種、スイス・マウンテン・ドッグ&スイス・キャトル・ドッグ、関連犬種
セクション 3 ; スイス・マウンテン・ドッグ&スイス・キャトル・ドッグ
◯沿革 :
バーニーズ・マウンテン・ドッグは起源の古いファームドッグ(農場で飼われている犬)で、ガードドッグや牽引犬として、又ベルン周辺の山岳地帯や中部で牛追いに用いられていた。この長毛でトライカラーのファームドッグが特に数多くいた地域では、ベルン州のリギ山の近くの村落とデュールバッハの旅館の名前をとって、元来デュールベッヘラーと呼ばれていた。
1902年、 1904年、1907年にはこの犬種はすでにドッグショーに出陳されていた。1907年には、ブルクドルフ地方のブリーダー達が「スイス・デュールバッハ・クラブ」を設立することによってこの犬種の純血繁殖を推進し、またこの犬種の特徴を固定しようとした。1910年にブルクドルフで開かれたショーには、その地方の多くの農場主たちが、デュールベッヘラーを出陳し、すでに107頭もの犬が出陳されていた。この日より、(スイス・マウンテン・ドッグの他の犬種の例に従って)この犬は「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」と名称変更され、スイス中とドイツの隣接する地域で急速に高く評価されるようになった。
今日、バーニーズ・マウンテン・ドッグは印象的なトライカラーの被毛と適応力の高さ故に、世界中でよく知られ、家庭犬、伴侶犬として高く評価されている。
◯一般外貌 :
長毛で、トライカラーの作業犬。中型より大きめで、頑健な体躯で、機敏である。すべてのバランスがよくとれている。
◯重要な比率 :
・体高 : 体長 = 9 : 10
・理想的な比率 体高 : 体長 = 2 : 1
◯習性・性格 :
日常生活では自信に満ち、注意深く、油断がなく、また怖いもの知らず。性格が良く、飼い主には献身的で、他人に対しても穏やかで、自信を持って接する。ムラがなく、従順な性格。
◯頭部(ヘッド) :
頑丈で、サイズは全体とバランスが取れており、大きすぎない。
頭蓋部(クラニアルリージョン) :
・スカル : 前望、側望すると僅かに丸みを帯びる。額溝はほとんど目立たない。
・ストップ : 明確だが、目立ちすぎない。
顔部(フェイシャルリージョン) :
・鼻(ノーズ) : ブラック。
・マズル : 強く、中位の長さで、鼻梁は真っ直ぐ。
・唇(リップス) : ぴったりと引き締まっている。色はブラック。
・顎と歯(ジョーズ、ティース) : 丈夫で、完全なシザーズバイト(第3後臼歯 -M3- は考慮に入れない)。ピンサーバイトは許容される。
・目(アイズ) : ダークブラウンで、アーモンド形。瞼はたるみがない。窪みすぎてもおらず、出目でもない。ゆるい眼瞼は欠点とみな
される。
・耳(イヤーズ) : 三角形で、先端が僅かに丸みを帯び、耳付きは高い。中位の大きさで、平静にしている時は、平に垂れ、頭にぴった
りくっついている。警戒時には付け根の後部は持ち上がるが、前縁は頭部に接したままである。
◯頸(ネック) :
強く、筋肉が発達しており、中位の長さ。
◯ボディ :
・トップライン : 頭からキ甲にかけてはなだらかに下り、キ甲の後ろから真っ直ぐ、平らに伸びている。
・背(バック) : 堅固で、真っ直ぐで、平ら。
・腰(ロイン) : 幅広く、頑健。上望すると、胸よりも僅かに幅が狭い。
・尻(クループ) : 滑らかに丸みを帯びている。
・胸(チェスト) : 広く、深く、肘まで達している。前胸はよく発達しており、胸郭の幅の広い卵形(オーバル)の部分は後部まで達し
ているほど良い。
・アンダーラインと腹(ベリー) : 胸から後躯に向かって僅かに上がっている。
◯尾(テイル) :
ふさふさしており、少なくとも飛節まで届き、休止時には真っ直ぐ垂れている。動いている時には、背に対して平らに掲げられているか、背より僅かに上に掲げられている。
◯四肢(リムズ) :
骨は丈夫である。
前肢(フォアクォーターズ) :
・前脚はどちらかというと広く離れてついており、前望すると真っ直ぐで、平行。
・肩(ショルダーズ) : 肩甲骨は長く、強靭で、よくレイ・バックしている。上腕との角度は開きすぎず、胸に密着しており、筋肉が発
達している。
・上腕(アッパーアーム) : 長く、傾斜している。
・肘(エルボーズ) : ボディにぴったりとしており、内外転していない。
・前腕(フォアアーム) : 頑丈で、真っ直ぐである。
・中手(パスターン、メタカーパス) : 惻望するとほとんど垂直で、頑丈。前望すると、前腕と同じ直線上にある。
・足(フィート) : 短く、丸く、緊握し、指趾はよくアーチしている。内外向していない。
後肢(ハインドクォーターズ) :
・後望すると真っ直ぐで、平行で、互いに接近しすぎていない。
・大腿(サイ) : 長く、幅広で、力強く、筋肉が発達している。
・膝(スタイフル) : よいアンギュレーションである。
・下腿(ローワーサイ) : 長く、傾斜している。
・飛節(ホック) : 力強く、角度がある。
・中足(リアパスターン、メタターサス) : ほぼ垂直である。デュークローは取り除かなければならない(法で禁じられている国以外)。
・足(フィート) : 前足よりも僅かにアーチがゆるい。内外向していない。
◯歩様(ゲイト・ムーブメント) :
健全で、全ての歩様はバランスが取れ、グランドカバリング富んでいる。自由なストライドは、後肢の十分な推進力で前進する。トロットの際には、脚は前望しても、後望しても、前に真っ直ぐ、平行に移動する。
◯被毛(コート) :
・毛(ヘアー) : 長毛。光沢があり、直毛あるいは僅かにウェービー。
・毛色(カラー) : ジェットブラック(漆黒)。頬、目の上、四肢全てと胸には、リッチタンマーキングがあり、他に下記の場所にホ
ワイトのマーキングが見られる。
・頭部には左右対称のクリーンホワイト(純白)のマーキングがある。ブレーズは、鼻の両脇に向かって伸び、マズルバンドと
合流する。又、目の上のタンのマーキングにかぶってはならない。ホワイトのマズルバンドは口の端をすぎてはならない。
・喉や胸にある、適度に幅広く、途中で途切れないホワイトのマーキング。
・理想 : ホワイトの足、尾の先端のホワイト。
・許容範囲 : うなじにある小さなホワイトの斑、肛門にある小さなホワイトの斑。
◯サイズ(体高) :
・牡 : 64-70 cm、 理想サイズ : 66-68 cm
・牝 : 58-66 cm、 理想サイズ : 60-63 cm
◯欠点 :
上記の点からのいかなる逸脱も欠点とみなされ、その欠点の重大さは逸脱の程度に比例するものとする。
・おどおどした性格。
・細い骨。
・噛み合わせは正しいものの、切歯の生え方が不規則なもの。
・第1前臼歯2本以外の欠歯。第3後臼歯の欠歯は欠点とみなされない。
・被毛 :
- 明確にカールしている被毛。
- 欠点となる毛色とマーキング :
- 頭部にホワイトがないもの。
- 大きすぎるブレーズや口の端を明らかに過ぎたマズル・バンド。
- うなじの大きなホワイトの斑(直径が6cmを超えるもの)。
- 肛門部のホワイトの班(最大6cmまで)。
- ホワイトのカラー(頸回り)。
- 前脚にあるホワイトのマーキングがパスターンの真ん中を超えているもの(ブーツ)。
- 頭部や胸にある左右非対称のホワイトのマーキング。
- ホワイトの胸にブラックの小斑(ティッキング)やストライプのあるもの。
- 汚れ白(色素形成の強い斑点)。
- 僅かにブラウンかレッドの混じったブラックの被毛。
◯失格 :
・攻撃的、不安げで、過度にシャイな犬。
・スプリットノーズ。
・アンダーショットあるいはオーバーショット、ライマウス。
・片目あるいは両目がブルーアイ(ウォールアイ)。
・眼瞼内反、眼瞼外反。
・キンクテイル、リングテイル。
・短い被毛で、ダブルコートのもの。
・トライカラー以外の被毛。
・被毛の主要な色がブラックでないもの。
・陰睾丸。
FCI-Standard N° 45 -05.05.2003/ENGLISH-