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健康問題について -About Health-

◯バーニーズマウンテンドッグが抱える健康問題

バーニーズマウンテンドッグといえば、「股関節形成不全・肘関節異形成」が、最もポピュラーで認知度の高い疾患です。実際に統計調査でも、高い確率で罹患する整形外科学的疾患のひとつです。これは今日遺伝学的にその発生率を減少させることが可能だと考えられています。ですが、残念なことに我が国ではこれらの疾患の発生率が増加し続けているのが現状です。欧米各国の中には、繁殖用個体の選定に股関節及び肘関節の評価を必須条件として導入している国が存在します。その基準は国によって多少の差異はありますが、多くの場合は国際畜犬連盟 -FCI- が定義する評価基準に準じています。この繁殖用個体の選定に股関節及び肘関節の評価を必須条件として導入している国々は、当然ながら遺伝的要因が顕著な股関節形成不全及び肘関節異形成の発生率は減少方向に向かっています。一方で、繁殖用個体の選定に股関節及び肘関節の評価を必須条件として導入していない国の場合は、その判断基準は繁殖者の意思に委ねられているのです。犬種に携わる全ての繁殖者が、ケネルクラブやブリードクラブが定める繁殖指針を遵守することが出来れば犬質も健全性も安定的に維持されるはずなのですが、残念ながらこのシンプルで重要な繁殖指針を遵守出来る繁殖者の数は多くないというのが現状です。

 

またバーニーズマウンテンドッグにとってのもうひとつの大きな健康問題は「癌」です。悪性腫瘍や悪性新生物とも呼ばれる「癌」は、この犬種の平均寿命を下げている最大要因のひとつです。米国BMDCAの様々なデータベースからの統計調査によると、バーニーズマウンテンドッグの死因の約60〜70%が「癌」であると発表しています。この中で最も罹患率が高い癌が「悪性組織球症」です。その後に「肥満細胞(マスト細胞)腫」「悪性リンパ腫」と続きます。前述の整形外科学的疾患と違い、直接的に死に至る可能性が高い疾患であり、また最も重要視しないといけない分野でもあり、バーニーズマウンテンドッグに携わる我々は「癌」に対する正しい知識を身につける必要があります。その原因やメカニズム、遺伝的要素の関与等において、世界各国の研究チームによる様々な研究分析が進行しています。我が国でも、犬種特有の疾患や遺伝的要因が顕著な疾患の発生率を減少させていくために国内唯一のブリードクラブとして様々な活動に取り組んでまいります。

バーニーズマウンテンドッグの寿命(7〜8歳)はあまりにも短すぎます。

◯バーニーズマウンテンドッグが罹患しやすい疾患リスト

下記はバーニーズマウンテンドッグが罹患しやすい疾患リストの一覧です。犬種の生活において影響を及ぼす可能性が高いこれらの疾患について正しい知識を持ってそれぞれの疾患について理解を深めるための健康問題に関する情報となります。下記の疾患リストには、遺伝的な要因が深く関わるものや出生時から存在する形態的・機能的・精神的異常を示す先天性疾患、後天性のものや突発性のものまで様々です。いくつかの遺伝性疾患に関しては、世界中の犬種ブリーダーにとっての大きな課題でもあり、その発症率を減少させるために多くのブリーダーやブリードクラブ等が研究分析を進めています。また各々ブリーダーの繁殖衛生という道徳意識により発症率を軽減できる疾患もありますし、各々オーナーの日常的な疾患に対する意識で予防できるものあります。いずれにしても疾患に対する正しい知識を持っていることが大変重要です。有意義なバーニーズライフを過ごしていただくための基礎知識として下記疾患リストをご活用ください。

バーニーズマウンテンドッグ種が罹患しやすい各種疾患    -アルファベット順-

アレルギーAllergies

ー食物に関連するアレルギーがしばしば問題を起こす場合があります。多くの場合は、その原因を特定することが困難です。

 

無菌性髄膜炎Aseptic Meningitis

ー脳と脊髄を覆う組織層(髄膜)の中間層と内層との間の空間(くも膜下腔)に起こる炎症です。

 

自己免疫疾患Autoimmune Diseases

ー無菌性髄膜炎や免疫介在性多発性関節炎などいくつかの重大な疾患の発症が影響を及ぼします。

 

胃拡張捻転症候群Bloat / Gastric Dilation Volvulus -GDV-

ーメカニズムは解明されつつありますが、発見及び処置が遅れると死に至る可能性が高い疾患のひとつです。

 

Cancer

ーバーニーズマウンテンドッグの死因の約60〜70%を占めるのが、この悪性腫瘍です。

 

組織球肉腫・悪性組織球症Histiocytic Sarcoma / Malignant Histiocytosis

ー犬種が発症する悪性腫瘍の中で、最も罹患率が高いのがこの「組織球肉腫」及び「悪性組織球症」です。

 

血管肉腫Hemangiosarcoma

ー血管内皮細胞の悪性腫瘍で、致死率の高い癌の一種です。

 

リンパ腫・リンパ肉腫Lymphoma / Lymphosarcoma

ーリンパ系組織から発生する悪性腫瘍です。

 

肥満細胞腫Mast Cell Tumors -MCT-

ー形態・症状は様々ですが、主に皮膚に発症する癌の一種です。

 

悪性黒色腫 -メラノーマMelanoma

 ー皮膚、眼窩内組織、口腔粘膜上皮などに発生するメラノサイト由来の悪性腫瘍です。 

 

骨肉腫Osteosarcoma

ー別名悪性骨形成性腫瘍とも呼ばれる、主に付属肢骨格に発生する悪性腫瘍の一種です。

 

白内障Cataracts

ー水晶体が白く濁り次第に視力が低下する眼疾患のひとつです。

 

前十字靭帯断裂Cranial Cruciate Ligament Ruputure

ー膝関節内の大腿骨と脛骨をつなぐ前十字靭帯が部分断裂あるいは完全断裂してしまう整形外科学的疾患です。

 

変性性脊髄症Degenerative Myelopathy -DM-

ー加齢に伴う脊髄の異常により、後肢の麻痺を引き起こす進行性疾患です。

 

下痢・消化器系統の問題Diarrhea / Digestive Tract Issues

ーアレルギー、異物誤飲や食糞、またその他の様々なトラブルに起因する消化器系統の健康問題のひとつです。

 

コクシジウムCoccidia

ー消化管などの細胞内に寄生する原虫の一種。下痢、脱水症状、嘔吐、食欲低下などの問題を引き起こします。

 

大腸炎Colitis

ー細菌やウイルス、寄生虫、ストレス等によって引き起こされる大腸の炎症です。

 

食糞Copraphagy

ー食糞による軟便・下痢。栄養不足やストレス、または未消化の蛋白質等が影響していると言われています。

 

食物アレルギーFood Allergies

ー特定のアレルゲンに敏感に反応し、下痢や耳の感染症、ホットスポットやその他皮膚トラブルを引き起こします。

 

ジアルジアGiardia

ー消化管などの細胞内に寄生する鞭毛虫の一種。急性または慢性、継続的な下痢が主な症状です。

 

炎症性腸疾患 -蛋白漏出性腸症Inflammatory Bowel Disease -IBD-

ー炎症細胞の腸粘膜への浸潤を特徴とする原因不明の慢性消化器疾患です。免疫学的反応が関与していると考えられています。

 

腸重積Intussusception

ー慢性的な下痢や大腸炎、また腸管の蠕動運動異常等により、腸が折り重なってしまう疾患です。

 

過敏性腸症候群Irritable Bowel Syndrome -IBS-

ー大腸の運動及び分泌異常が起こる腸疾患の総称。多くの場合、ストレスに起因すると言われています。

 

寄生虫Parasites

ー主にイヌ回虫は、腸管内に寄生する線虫に属する寄生虫の一種。下痢や嘔吐、食欲低下などの問題を引き起こします。

 

異食症Pica

ー不適切な異物を誤飲することにより、下痢や嘔吐などの問題を引き起こします。重篤な腸閉塞に陥ることもあります。

 

肘関節異形成Elbow Dysplasia -ED-

ー上腕骨そして前腕骨を構成する橈骨と尺骨により成り立っている肘関節の異常。整形外科学的疾患のひとつです。

 

眼瞼内反症・眼瞼外反症Entropion and Ectropion

ー瞼縁が内反または外反する眼疾患のひとつです。内反の場合は角膜に、外反の場合は眼瞼結膜に影響を及ぼします。

 

癲癇Epilepsy

ー脳細胞のネットワークに起きる異常な神経活動のためてんかん発作を来す脳神経疾患です。

 

股関節形成不全Hip Dysplasia -HD-

ー骨盤の寛骨臼と大腿骨の結合部(=股関節)の異常。整形外科学的疾患のひとつです。

 

甲状腺機能低下症Hypothyroidism

ー甲状腺ホルモンの分泌量が不十分となる代謝内分泌疾患のひとつです。統計上、犬種の中でHD/EDに次いで頻発している疾患です。

 

離断性骨軟骨炎Osteochondritis Dissecans -OCD-

ー関節軟骨の一部が軟骨下骨層とともに壊死を起こす疾患で、主に肘関節の部位に好発する骨端症の一種です。

 

汎骨炎Panosteitis -Pano-

ー尺骨、橈骨、上腕骨、大腿骨および脛骨に発生する骨疾患のひとつです。若年齢(5〜18ヶ月齢)で頻発します。

 

膝蓋骨脱臼Patellar Luxation -PL-

ー膝蓋骨が滑車溝といわれる大腿骨の正常な位置から内外へはずれてしまう(脱臼または亜脱臼する)骨疾患のひとつです。

 

門脈体循環シャントPortsystemic shunt -PSS-

 ー肝臓に流入するはずの門脈血流が肝臓を迂回して全身循環に流れ込む血管奇形の病気です。 

 

進行性網膜萎縮症Progressive Retinal Atrophy -PRA-

ー網膜の細胞が進行的に変性し、網膜血管が壊死していく原因不明の遺伝性眼疾患です。

 

腎形成異常Renal Dysplasia -RD-

ー先天的に腎組織に異常が見られ、発育過程において腎臓障害によって組織構造に問題が生じることが原因とされる腎臓病のひとつです。

 

大動脈弁下部狭窄症Sub-aortic Stenosis -SAS-

ー心臓の左心室の出口にある弁(大動脈弁)の性質が硬化して、全身に血液が送り出されにくくなる循環器疾患のひとつです。

 

フォンウィルブランド病Von Willebrand's Disease -vWD-

ー止血に必要なフォンウィルブランド因子の量的欠損(Type-Ⅰ)により血小板の機能異常を引き起こす出血性疾患です。

 

 

◯米国BGFのオープンデータベースの活用

BGF -The Berner-Garde Foundation-

米国オハイオ州にて1994年に「The Berner-Garde Foundation(略称:BGF)」という非課税財団が設立されました。BGFは、世界各国で登録されているバーニーズマウンテンドッグのオープンデータベースで、その内容はそれぞれの国のケネルクラブにて発行された国際公認血統証明書の項目(登録名・登録番号・生年月日・血統図・繁殖者・所有者等々)や各種遺伝性疾患の公的検査結果、他の健康上の問題報告書等々です。またBGFでは、Orthopedic Foundation for Animals(略称:OFA)やThe Canine Eye Registration Foundation(略称:CERF)等のデータベースも意図的に含まれるため膨大な情報量のデータベースが構築されています。

 

BGFの設立目的は、遺伝形質に関連した情報収集とバーニーズマウンテンドッグ種にて頻発する遺伝病の原因究明サポート、またこれらの正確なデータに基づいた繁殖技術の向上や犬質向上等々です。BGFでは、様々な研究や統計によりバーニーズマウンテンドッグの平均寿命は7~8歳と明記しています。将来いくつかの重大な遺伝病を減少させ、この平均寿命を「12~14歳」とすることがBGFの使命であり、我々日本国内唯一のブリードクラブである「山梨八ヶ岳バーニーズマウンテンドッグクラブ」の使命でもあります。

 

バーニーズマウンテンドッグに携わる全ての方々が、犬種の現状を正しく理解し、さらにBGFの活動内容を正しく理解し、バーニーズマウンテンドッグの犬質維持と発展につながる財団の活動を支援していく必要があります。ブリーダーは全ての繁殖情報を登録することが重要であり、またオーナーは積極的に愛犬のデータを提供することが大切で、この膨大なデータベースの活用がその活動と犬種の未来に貢献するということを知ることが重要なポイントです。

 

山梨八ヶ岳バーニーズマウンテンドッグクラブでは、BGF公開データベースへの各犬の情報登録を推進しています。バーニーズマウンテンドッグの犬質維持と特有の健康問題を改善するために、皆様の愛犬データをBGF公開データベースへ登録しましょう。下記リンクの専用登録フォームより簡単にデータが送信できます。また会員向けサービスとして情報登録代行も承っております。ご希望される場合は、お問い合わせフォームよりお気軽にご用命下さい。その他、ご不明な点やご質問等がございましたらご遠慮なくお問い合わせ下さい。

・INDIVIDUAL DOG SUBMISSION FORM

ー愛犬の詳細なデータを登録する専用フォームです(オーナー向け)ー

 

・LITTER SUBMISSION FORM

ー繁殖の詳細なデータを登録する専用フォームです(ブリーダー向け)ー

 

・PERSONAL INFORMATION SUBMISSION FORM

ーオーナーまたはブリーダーの個人情報を登録する専用フォームですー